岸田:
先ほどいろいろ、県内では例がないということで、苦労もたくさんあったということなんですけれども、そんな中でどうやって克服したいったんですか?
阿部:
やっぱり最初は、どうしても保育園とデイサービスという、本当に異種のものが一緒にやるというところで、それでもスタッフも別々の仕事になってしまって、どうしても何となくぎこちない時間が結構ありまして。やっぱりそのぎこちないままにしないで、常に話し合いをするようにして。やっぱりコミュニケーションを取るようにはしていました。
岸田:
スタッフはそれぞれ保育と介護とそれぞれということですよね?大体何人ぐらいずついるんですか?
阿部:
そうですね、はい。大体1日保育の方は4・5人、デイサービスの方は6・7人いますかね。
岸田:
それで話合いもしてやってきたと。
実際これまでやってきて、今どんなこと感じてますか?
阿部:
子供たちと高齢者の係わり方を見ていると、なんか結構壁を作っているのはわれわれスタッフの方で。意外に固定観念にとらわれないで、何かそういった繋がりを作ることで、何か新しいいいものが今生まれてるっていうのを感じてます。
岸田:
やっていてよかったなって感じることって、どんなことですか?
阿部:
やっぱり双方の笑顔ですかね。
岸田:
具体的には、何かありましたか?
阿部:
具体的にですか?
でもさっきも例に出した、子供が自然に高齢者の方に駆け寄っていく、高齢者の方がそれに対して、普通に自分の孫のようにこたえる。そんな自然な場面を見る時ですかね。
岸田:
この施設に入って、変わったなっていう高齢者の方だとかっていらっしゃいますか?
阿部:
やっぱり子供の効果という面で見ると、やはり子供に対して何か、成長に対して役に立とうというか、育てることに関わろうというか、そういった方が増えてるように思います。
岸田:
以前お話伺ったときに、ピアノ弾く方が確かいましたよね?その方ってどういう方でした?
阿部:
そのピアノ弾く方は認知症を持った方なんですけど、もともと保育園の先生をされてた方なんですね。保育園の先生されていたということで、ぜひ子供の前でピアノ弾いてって頼んだら童謡を弾いてくれまして。私その時年齢知らなかったんですけど、あとで聞いたら90を超えてる方でして。
岸田:
それでも弾けたんですね。
阿部:
弾けて、子供たちが歌って。
本当にいろんな場面であったかい空気が流れてます。
(最終回)ラジオ放送⑧に続く